腱鞘炎、30代男性の場合。

2016年10月12日 一般治療

おはようございます。

米沢の加藤整体院併設加藤接骨院です。

 

今日は、腱鞘炎の方の症例をご報告します。

30代男性、力仕事で手首や腕、肩を酷使する方です。

この方は、手首親指側に痛みを訴えての来院でしたが、

仕事が終わると手首を全く動かせないくらい固まってしまうとのことで、

当院に来院されました。

体の状況から先にチェックさせて頂くことにしまして、

仰向けで、首や右肩、右上肢に強い運動制限が見られました。

下半身には大きな問題はないようでした。

うつ伏せでのチェックも、首と右肩、ふくらはぎに強い圧痛を認め、

歪みが強いことが体感的にもわかって頂けたようです。

痛みがあるところは、飛び上がりそうな勢いで痛がったのが印象的です。

早速うつ伏せで施術をさせて頂きました。

 

背骨を揺らしながら調整を行い、

約5分後。

仰向けから同じ順番でチェックをすることにしました。

圧痛のある個所はすべてクリアになり、

腱鞘炎の指標である手首と前腕の痛みも自覚できるくらいに

動きが改善され、圧痛も減りました。

うつ伏せも、それぞれさっきよりも痛みが減ったとのことで、

「これなら起き上がったときに腱鞘炎の症状は軽くなるだろう」という

確信のもと、起き上がってもらうことにしました。

実際に起き上がって動きを確認してもらったところ、

痛いけどさっきまでほどではない、というのを確認でき、

整体の力に驚いて頂けたようでした。

 

ただし。

 

ここからが重要です。

首、肩、ふくらはぎの指標が改善すれば、おのずと症状は改善してくるのですが、

体には症状に見合った使い方が大事になります。

今は痛みが軽減しているのですが、

完治するにはある程度運動制限をかけないと、すぐに痛みが戻ります。

ましてや腕を酷使する仕事に従事している以上、

それを徹底しないと、明日には痛みが戻ってしまいます。

それをしっかりお伝えしました。

しばらくは固定をして、うまく力を抜いて(手を抜いて?)、

炎症が取りきれる3週間を乗り越えて下さい、

とお伝えした次第です。

 

2回目来院されたとき、

私が心配していた通りになりました。

その日は快適に過ごせたものの、

案の定すぐに仕事で酷使し、また痛みが強くなったのです。

2回目では、首やふくらはぎの指標は、初回ほど強くは出ておらず、

調整は順調なものと判断しましたが、

回復するスピードよりも、再負傷による破壊のスピードの方が強かったため、

順調な症状改善とまではいかなかったようです。

ここに腱鞘炎の治療の難しさがあります。

「無理して使いながらでも治せる」という誤った風潮が世の中には

強く感じられます。

上手に使いながらなら、それは可能ですが、

無理した使い方は、いくら背骨や骨盤が整っても、

根本的に治すことには至りません。

安静にすれば、治療無しでもおよそ4週間で、ある程度炎症症状は治ります。

それから前腕部の筋肉をほぐし、姿勢を改善させることにより、

上肢全体の筋肉バランスを整え、

手首にかかる負担を減らしながら、再発防止に努めます。

炎症症状だけ収まっても、再発しやすい環境下には変わりないのです。

そこに整体治療の存在意義があります。

予防という概念では、整体治療の右に出るものはないと思っています。

(トレーニングは、場合によって必要になります)

 

今回は、いったん整形外科を紹介し、

注射治療を併用することも方法であるとお伝えしました。

当院は、投薬注射、手術を否定することはありません。

患者様に一番ベストな治療は何か、

患者様の考えと今までの経験をもとに、

適切にアドバイスさせて頂いております。